男性型脱毛症のメカニズムと対策そして治療■脱毛症について毛髪には、
「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期があります。
成長期には毛をつくるもととなる毛母細胞が毛乳頭から栄養を吸い上げて、
活発に分裂して毛髪が伸び続けます(約3~6年)。
頭髪の場合は1日に約0.4mmほど伸びます。
退行期に入ると毛母細胞の分裂が止まります(約3週間)。
さらに
休止期になると引っ張られたり、新しい毛に押し出されるなどの
刺激を受けることで、自然に脱毛します。
頭髪は約10万本ありますが、成人で1日に100本以下の抜け毛でしたら、
毛周期による正常な脱毛といえます。
頭髪が薄くなる代表的な脱毛症としては、円形脱毛症や男性型脱毛症があります。
円形脱毛症の場合、10円玉くらいの大きさで脱毛するのが特徴で、ストレス、
内分泌障害、自律神経や血管の異常などが原因と考えられます。
円形脱毛症ができたときには、医師の診断を受けることが、早期解決に繋がる
のではないかと思います。
そして、脱毛症で最も多いのが男性型脱毛症なのです。
それでは、男性型脱毛症について詳しく説明します。
■男性型脱毛症のメカニズムアメリカの米国脱毛会議(American Hair Loss Council)によれば、
男性型脱毛症はすべての脱毛の中で95%を占めます。
日本人での割合に関しても大差は無いと思われます。
男性型脱毛症は男性にのみ起こると広く信じられていますが、目に見える症状は
異なりますが女性にも発症します。
男性型脱毛症と男性ホルモンは密接な関係にあるのですが、
男性ホルモン=男性型脱毛症の原因 というわけではありません。
男性ホルモンの一種に「テストステロン」があります。このテストステロンは
筋肉の量を増やしたり、性欲を増進する作用などがあり、成長に不可欠な物質で、
直接的に脱毛を促進する作用はありません。
ところが、このテストロゲンと「5α-リダクターゼ」という還元酵素が出合って
しまうと問題です。
脱毛イメージ5α-リダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)という
物質に代謝されて、このDHTが毛乳頭に存在している男性ホルモン受容体
(アンドロゲンレセプター)に作用して毛サイクルの異常を引き起こしてしまい、
毛が成長する前に抜けてしまいます。
5α-リダクターゼによってDHTに変身して、アンドロゲンレセプターが反応すると
毛が抜けるのです。
これが男性型脱毛症のメカニズムです。
■男性型脱毛症の対策男性型脱毛症の対策として、育毛剤・シャンプー・髪の成長に良い栄養補給
などが、挙げられます。
●育毛剤・シャンプー5α-リダクターゼの働きを阻害して、DHTへの変化を抑制する成分が配合されて
いる育毛剤やシャンプーがAGA対策に有効といわれています。実験により、
ミノキシジルと同等の効果を持つ成分が配合された育毛剤もあります。
●髪の成長に良い栄養補給男性型脱毛症の対策として食事から髪の成長に良いといわれる栄養素を補給する
ことも大切です。
特に、必須ミネラルの1つである「亜鉛」は、ホルモンの生成や活性化、
バランス化の働きがあり、精子の形成にも間接的に影響している成分です。
そのほかにも、育毛にいいと言われる「イソフラボン」や「ノコギリヤシ」など
の成分を摂取することで体の内側から育毛をサポートしてくれます。
亜鉛はカキ貝やレバー、牛肉、卵黄、ごまなどに多く含まれています。
豆腐や味噌などの大豆製品には大豆イソフラボンが含まれています。
ノコギリヤシは食事から採ることは出来ないため、サプリメントを利用しま
しょう。
いずれの成分も、意識して毎日バランスの良い食事を続けることが必要です。
食事が偏っていたりする人は必要摂取量を満たすことは難しいので、サプリメント
の利用も考慮しましょう。
■男性型脱毛症の治療法●
内服療法では「フィナステリド錠」を服用すると効果があるといわれています。
国内では、フィナステリドを主成分としたMSD(旧:万有製薬)の
「プロペシア錠」が有名です。
フィナステリド錠を服用することによって、DHTへの転換や、脱毛作用を抑制し、
ヘアサイクルの正常化に効果を発揮します。
●
外用療法では頭に塗布することで、血行を促進してくれる育毛成分として
「ミノキシジル」があります。
しかし、育毛効果が認められた成分なのですが、毛根がない状態では効果がありま
せん。また、人によって個人差が大きいのも事実です。
●男性型脱毛症は、全国の病院や皮膚科、専門クリニックで診断を受けることが
出来ますが、医療機関によっては薬を処方するだけだったり、遺伝子検査や
血液検査を行うなど、診断方法はさまざまです。
内容をしっかり把握して納得した上で治療を受けるようにしましょう。
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